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高く飛びすぎてしまったのだ。あるいは大きな声で鳴き過ぎてしまった鳥。
雉も鳴かずば余生幾ばく永らえるだろうに、彼の意地がそうさせた。近づきすぎた陽に、身を焼き地に落ち打ちひしがれるとわかっていながらそうせざるを得なかった姿を、誰も笑うことは出来ない。 悪意は人を殺す。矢にも鉄砲にも負けない体躯も人の悪意で死に絶える。負けてなるかの意地で、疲れた身を無理矢理起こす。太陽が嘲笑う。休息の時は無いんだよ。俺が見ている限りな。 無理に体を起こそうとする。彼の意地がそうさせた。意地が、人を殺すのだとわかるまで。夜の帳が降りるまで。 テーマ:下手な短編小説ですが・・・。 - ジャンル:小説・文学 ![]() |
本気で好きならば何をしても許される、という狂気というか妄想というか。
蝶を追いかけていたことがある。蝶が大好きだ、というわけでもなかったはずだが、なぜかその時は夢中で追いかけていた。僕は熱に冒されていたに違いない。当時の自分を振り返ると赤面してしまうが、あの恍惚を失ったのは悲しくもある。 間も無くその蝶は人の物だと知り、そして僕は夢から覚めた。恍惚は一息に失われ、後は苦しい自問内省の日々が続いた。夢の代価を払わせられている気分。「なぜ人の物だと獲ってはいけないのか。」それは恐怖から?道徳から? 好きな物は大概買ってもらえた。金が足りない分は自力で補う術と力を身に付けた。努力すれば夢は叶う、なんて口に出さなかったが信じてきた。信じたかった。 しかし本気で好きでも、どんなに努力しても世の中には決して手に入ることの無い物があるのだ、という厳格な事実が身に染みた時、世界が急に広がった。眼前の夜景が昨日までのそれと違う輝きを放った。僕は、泣いた。 世界の果ての壁面を触れるような万能感は無くなったが、地面を踏みしめる自分の足の感触が妙にはっきり感じ取れるようになった。僕は小さい。でも生きている。小さなまま、生きている。それでいいんだと思った。達観でもなく諦めともつかない感情が僕を静かに包む。夜の風がいつもの匂いに戻った。 蝶は獲られることを望んでいない。僕はもうそれを獲ろうとは思わない。小さな僕が背伸びせず手に取れるものを探そう。 「で、何の話なの、それ?」 「お前と結婚した理由。」 テーマ:下手な短編小説ですが・・・。 - ジャンル:小説・文学 ![]() |
人の価値はどこにあるのか。月並みだが金とか権威には無いと思う。それらは人の価値に付随するものであって、価値そのものでは無いよな。
人の価値はどこにあるのか。俺には実はよくわからないが、嫁をもらって子供をもうけて、義理の父母に孝行して、苦手な近所付き合いもなんとかこなして・・・そんな営みの中にあるんじゃないかと思ってる。 価値ある自分を見せたいけれど、さすがに今すぐ誰かと結婚できるとは思えないし、子供も産む事もできないから、価値ある自分の姿ってやつは、しばらく見せることができそうにないな。 その代わりと言っては何だが、俺はせめてこれからも元気に生きようと思う。世の中で飛んだりはねたり、好き勝手やっていこうと思う。 年老いた家族を残して、一人好き勝手に生きることには抵抗があった。後ろ髪引かれるものがあった。でもそれは自分が弱いからだと思ってる。 子供が元気に生きるのを喜ばない親はいないだろう?もし、子供が自由に生きることに不安や妬みや寂しさを覚える親であったなら、俺は子供として、張り倒すだろう。親がそんなことでどうする、と。子供に教えられる、ってのもいいもんかもしれないよ。 俺はこれから好き勝手をする。社会の中で、もがいて苦しんで、そして乗り越える。俺が見せられる最高の姿を見せたい。見てほしいから。 だから、少しは長生きしてくれ。 父母へ テーマ:下手な短編小説ですが・・・。 - ジャンル:小説・文学 ![]() |
何も知らない他人が見たら、恐ろしい光景に違いない。
僕達は食事をしていた。父は壊れた機械のように陽気にしゃべり続け、母は静かにそれにうなずきつつ食事を振舞っている。僕は・・・それを直視できない。同じテーブルを囲み、目の前に母の作ったラーメンが置かれているのだけれど、僕はそれを見ることができずうなだれていた。涙がとめどなく溢れてきていた。 こんな馬鹿なことがあるものか。数年前には確かにあった平和な家族の一幕。それが今日また僕の前で展開されている。目の前が真っ暗だ。なぜそっとしておいてくれないのか・・・。母がよく作ってくれた味噌ラーメン。ネギの香ばしい香りが僕の鼻をくすぐる。父はテレビのリモコンに手を伸ばす。番組はいつもの「のど自慢」。父は陽気にしゃべり続ける。 「久しぶりに母さんのラーメンを食べたなぁ。チャーシューはいつものスーパーのかい?あ、今回ののど自慢は福井県じゃないか。兄弟達は元気かな?」 ・・・涙がボタボタとめどなく流れる。父さん、やめてくれ。もうやめてくれ。 「・・・おい、どうした。食べないのか・・・?」 父は随分しゃがれた声で、時々咳き込みながら食を促す。僕は、一口ラーメンをすすった。薄まったスープ、のびた麺、ねぎだけは新鮮な、このお世辞にも美味いとは言い難いラーメンは、正しく、正しくあの母のものだった。 「どうしたの・・・早く、食べないと・・・」 母が怪訝な表情で僕を見ているのがわかる。でも僕は涙が伝って、それどころじゃないんだ。 「父さん・・・もうやめないか。こんなことは・・・
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| 短編小説 |
時々思いついた短編小説を載せていきます。ついでにCSSの練習も兼ねて。
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